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宮川香山 虫明時代の作品 岡山へ

こんばんは~。

皆さんは、ロンドン郊外で発見された「初代香山作の染付の酒樽」を覚えて下さっていますか?

そうです、以前ブログで紹介させて頂いたあの作品です!
http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2011-12-30-1


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初代宮川香山作 染付酒樽 (虫明時代) 個人蔵

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初代宮川香山作 染付酒樽 (虫明時代) 個人蔵


明治3年の7月を示す年月が、漢詩や銘と共に記されています。
(京都で生まれ育った香山ですが、明治3年に横浜に移住する前、窯の指導のため、短期間岡山の虫明を訪れています。)

昨年末にブログで紹介して以来、さらに多くの先生方、識者、岡山の地元の研究者、コレクターの方々などに見解をうかがってきました。

結果、やはりこの作品は、初代宮川香山が虫明を去る間際に製作した作品とみてよいだろうという結論に到りました。

作品の発見が、「香山はいつまで虫明に滞在していたのか?」を明らかにする史料になるわけです。


この作品と非常によく似た作品が、岡山県の重要文化財に指定されており、岡山県立美術館に収蔵されていることは、以前ブログでお伝え致しましたね。

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初代宮川香山作(虫明時代) 岡山県重要文化財 岡山県立美術館保管 「邑久町史 文化財編」より



そして今回、イギリスで発見されたこの作品も、岡山県立美術館に寄託させて頂くことになったのです!

類似する二つの作品が一か所にあることにより、初代香山の虫明時代の染付作品について、より研究がより進むことを願ってやみません。

というわけで、ちょっと前になりますが、岡山に出張に行って参りました(笑)。


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いやあ~美しいですね~。

、、、、、ってのんびり岡山後楽園を散策している場合じゃありません!(笑)


でも、実に興味深い名字の方が結婚式を挙げていたんですよ~。

これも何かのご縁を感じます(笑)

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話を戻しまして、、、岡山県立美術館を訪問しました。

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(日曜日であったにも関わらず、お時間をとって頂き心から感謝致します。)

お話を伺うと、岡山県立美術館では塩田王 野﨑家に収蔵されている作品の数々などを積極的に調査、研究されており、それらの中には、十二代沈壽官や旭焼といった大変珍しいやきものなどが含まれていることがわかりました。これらについてはまた別の機会にブログに書かせて頂きたいと思います。(虫明の i さんも、情報ありがとうございます。)

何はともあれ、イギリスで発見した酒樽は、無事に岡山県立美術館で保管されることになりました。



ところで、香山が虫明時代に製作した作品は本当に数が少なく、また贋物が多いことが指摘されているのは、以前のブログでも書かせて頂きましたね。
http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08

虫明時代の香山作品については、伊木家の菩提寺である少林寺に収蔵されている作品や、東京国立博物館収蔵の作品に押されている「むしあけ」印が基準になると思われるのですが、これまでは、その印と異なる「むしあけ」印が押されたものも本物として扱われてきたようです。(昭和11年9月5日発行「焼もの趣味」第二巻第八号9月号参照)

しかし、現在ではだいぶ研究も進み、近い将来には正しい印を絞ることができるものと思われます。

(印が複数あったのでは、、、という意見もありますが、あくまでも私見としましては、香山の滞在は短期間であり、印が複数存在したという説は若干弱いのではないかと考えます。また伝来が比較的しっかりとした作品や、その作風に香山作としての特徴を備えているものには、少林寺や東京国立博物館の作品と共通する印が使用されていることからも、現段階では複数の印が使用されていた可能性は低いのではないかと考えています。)

いずれにしましても、より多くの、伝来のしっかりとした作品を比較、検証することが必要だと思います。

贋作については、桂又三郎氏の著書でも指摘されているように、京都などにおいても虫明時代の香山作品の贋作が製作されていたようですし、また地元の研究者の中には、かつての虫明焼の陶工も贋作作りをしていたのではないかと指摘される方もいらっしゃいます。

そんな虫明時代の香山作品ですが、私の信頼する骨董商の方々、岡山の地元の研究者、コレクター、そして学芸員の先生も口をそろえて、間違いのない本物の素晴らしい作品だと言われるのが、岡山県立博物館に収蔵されている「十二ヶ月茶碗」です。

すでに展示は終了してしまいましたが、この十二カ月茶碗が、実に40年ぶりに岡山県立博物館で公開されていました。

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私も、じーーーっくりと見てきましたが、ため息がでるほど素晴らしい作品でした。

印も良いと思われる印であり、一つ一つの作品が独特の柔らかい品格を備えています。

絵付けも、奔放におおらかに描かれていて、長時間見ていても全く飽きないのです。

虫明焼独特の、ほのかに紅い窯変がうっすらと景色になっている様は、引き込まれるような魅力を持っていました。

12点にも及ぶ虫明時代の香山作品。

これこそが虫明時代の香山の作風なのか、、、と大いに堪能できました。

(写真撮影は禁止だったので、皆さんにお見せできないのが本当に残念です。)

この十二カ月茶碗は、数年後に岡山県立博物館にて再度公開される予定とのことですので、そのときは是非このブログでも告知をさせて頂きたいと思いますので、後楽園を散策がてら、皆さんも岡山を訪れてみてはいかがでしょうか。



初代香山とゆかりの深い岡山。

地元での香山研究が、さらに進むことを大いに期待しています。

今回の出張でお世話になった方々、本当にありがとうございました。



眞葛 博士



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岡山後楽園にて




















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蓼純(たでじゅん)

こんにちは、蓼純(たでじゅん)です。
>皆さんは、ロンドン郊外で発見された「初代香山作の染付の酒樽」を覚えて下さっていますか?
ハーイ。覚えています ☆
>イギリスで発見した酒樽は、無事に岡山県立美術館で保管されることになりました。
そうなんですか。ありがとうございます。
それでは、県美に英国染付酒樽が展示される日を、楽しみに待っています ☆

by 蓼純(たでじゅん) (2012-06-25 09:10) 

眞葛 博士 (マクズヒロシ)

蓼純さん、コメント頂き有難うございました。

いつもホームページを拝見しております。

近々、国内で新たに発見された新発見の虫明時代の香山作品をご紹介しようと考えています。(笑)

どうぞ楽しみにしていて下さいませ~。

眞葛 博士




by 眞葛 博士 (マクズヒロシ) (2012-06-25 18:57) 

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